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夏の蝶

世界は遠く近づく火星の上に約束を咲かせた花

真実はいつも嘘みたいに君を包んで

閉じられた扉の向こうを想像することはできても、けっして見ることは叶わない

彼はいつも未来を探していて、世界はじっと押し黙ったままその様子を窺っている

彼女の動揺に差し出された手

その手のぬくもり

ひび割れた約束

灯台と蝶

ひらひら揺らめく鱗粉と夏の光



テーマ : 詩・ことば
ジャンル : 小説・文学

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遠い夜のさよなら

喧噪に溜め息ひとつ

ゆらゆらゆれる宝石のような街灯り

冷たい指先に微かに伝わる光の温度

ショーウインドウに映るまやかしのパレード

ぼくたちはいつだって触れられないものに焦がれていて

落ちて行く輪の中でとても大切な一つの言霊に触れる

それは夢の中のできごとのように憂いと郷愁に満ちて

溜め息一つの刹那に泡のように弾けて消える

遠いよるのさよならだ



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噛み付いた夢
傷口は空の色
溜め息はやがて溶ける雪の色




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星空浮遊

鏡文字の記憶を紐解き笑うあなたの背中には
いつも星空の海が波うっている
密やかに煌めく星粒がまぶされた歯車の郷愁を
時計師のゆびさきが見立ての良い小箱に収めるとき
天鵞絨の天蓋に机上の詮索が弾けて消えた



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時間測量

光は宿る
あなたの眼球を採掘して
時の流れに鮮やかな色彩を残して
記憶は刻まれ世界は揺れる



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Akira.K/Artsite diary

Akira Kawashima

Author:Akira Kawashima
 

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