目黒清掃工場の煙突
都市景





言葉が空気を断つ音が一本の線のようにピンと張り
やがて弛緩するように
頭から血が滲み出す速度で少年はそれを知る
薄れゆく意識が沈黙を射るように一瞬弾け
そうして
消える
誰もいなくなった夜の測道に生温い風
迷い込んだ街の終わり
空に浮かぶ木
桜景
透明な
風の吹く
桜の季節
呼びとめた
肩先の
花びらと月
風の吹く
桜の季節
呼びとめた
肩先の
花びらと月
Author:Akira Kawashima