モノクロ
医学と芸術展

森美術館で『医学と芸術展』を観ました。
『戦慄の絆』を思い出させる手術用具。
箱に収められたガラス製の精巧な義眼。
義足に義手。
ヴンダーカマーな象牙解剖模型にアンティーク薬箱。
非常にツボな展示内容でした。
そしてなんといっても、死を間近にひかえた人々の生前の写真と死後の写真を対比して並べた、
Walter Schels(ヴァルター・シュルス)の『ライフ・ビフォア・デス』と名付けられたシリーズが素晴らしかったです。

死を前に悟りなのか覚悟なのか、人生の何もかもを受け入れてじっとこちらを見入る目の穏やかな力強さ、
目を閉じ、まるで眠っているかのように見える死後の姿。
生と死について深く考えさせられる白黒写真の心に静かに染み渡る衝撃は、
これこそがアートの持つ力なのではないかと思いました。
死ぬのはいつも他人だと思い込んでいる日常生活。
死は遠いものという根拠のない傲慢さで回る社会。
そこにふわりと
生と死は平行にある。
死と生は等価である。と写真で教えられたような気がしました。
モノクロ
古書二つ。



久しぶりの更新になりました。
現在神奈川滞在中。わらわら、わらわらと忙しく働いています。
さて、写真は作品に使うため神戸のLandschapboek、東京神保町の古書店で買った古書二つ。
1800年代後期、1900年代初期のもの。
Landschapboekで購入した地図本は赤い表紙のくたびれ具合が非常に良い感じ。
神保町で買った本はコラージュに使うつもり。
長い年月を経て灼けた紙の質感、色がたまりません!
文字を紙に記すことで後世に伝えられるもの。
文字なしには作られなかった歴史の一端。
古い本には時間の流れを無意識に感じさせる、なんともいえない魅力があります。