ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎 箱宇宙を讃えて


最近、川村記念美術館へ『ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎 箱宇宙を讃えて』を観に行きました。
ずっと昔から、そこにあったかのように仄暗い展示空間に佇むコーネルのコラージュ&ボックスオブジェ。
この小宇宙空間がゆっくりと世界を浸食していって永遠に続けばいいのに...。と心地よく妄執。
ただ、高橋睦郎氏の詩とオブジェを並列しての展示方法は、個人的にしっくりこない感じがしました。
高橋睦郎氏の詩人としての言葉のイメージが強すぎて、
鑑賞者がそ言葉のイメージにならってコーネルの箱をみてしまうようで。
コーネルの箱の良さは、鑑賞者それぞれの持つ幼いころの憧憬や少年性を喚起させられるところにあると思うので、
鑑賞者がコーネルの箱に対して自分の感想やイメージを持ったあとで、
高橋睦郎氏の言葉と照らし合わせるよう、詩と箱は別々に展示したほうが良かったような気がします。
展示会場入り口に書かれていた詩はすこぶる素敵でした。
個人的には『鳥たちの天空航法』の実物が見れたのが良かったです。
写真や、図版ではグレーの箱の色の具合や、古びた感じの良さが伝わらないものなのだなあと痛感。
それほど、実物にはぐっとくるものがありました。
何時間でも、じっと眺めて箱の中の世界に入り浸っていたかったです。
今回は展示作品数が少なかったので、将来ぜひ日本で大規模なコーネルの回顧展やってほしいなあ。
そのときはメディチ・スロットマシーンが見たい!!
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