時間の鍵
密やかなもの、小さなものに惹かれます
たとえば、雨
総体としての雨ではなく
集合体のなかの小さな個である雨粒のほうにより惹かれます
空であると、漂う大きな雲の隙間に消えそうになっている小さな雲
砂浜にひとつ
きらりと光る硝子の破片
世界を構成する要素としては極小で、取るに足りないもののようであっても
何か心に響く小さくとも意味があるもの
耳をくすぐる囁き声
水面に無数に揺らめく光のプリズム
掌のうえで溶ける小さな雪片
すぐに忘れてしまうこと
ノートに記された見覚えのない落書
街灯の光
蛍光灯に群がる羽虫の羽音
遠くで響くサイレン
名前を持たぬ小さな星々の瞬き
冷たい風に踊る紙切れ
口にすると陳腐になってしまう思い
それら、
すべてを包み込む密やかな時間の鍵。
たとえば、雨
総体としての雨ではなく
集合体のなかの小さな個である雨粒のほうにより惹かれます
空であると、漂う大きな雲の隙間に消えそうになっている小さな雲
砂浜にひとつ
きらりと光る硝子の破片
世界を構成する要素としては極小で、取るに足りないもののようであっても
何か心に響く小さくとも意味があるもの
耳をくすぐる囁き声
水面に無数に揺らめく光のプリズム
掌のうえで溶ける小さな雪片
すぐに忘れてしまうこと
ノートに記された見覚えのない落書
街灯の光
蛍光灯に群がる羽虫の羽音
遠くで響くサイレン
名前を持たぬ小さな星々の瞬き
冷たい風に踊る紙切れ
口にすると陳腐になってしまう思い
それら、
すべてを包み込む密やかな時間の鍵。
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